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2017-05-30

丸森でしか採れない”伊達冠石”の魅力に迫る!春の大蔵山ガイドツアーに参加してきました

突然ですが、「伊達冠石(だてかんむりいし)」ってご存知ですか?
Image uploaded from iOS (24)伊達冠石とは、世界中でもここ、丸森町の大蔵山でしか採れない珍しい石です。

特徴は、丸みを帯びた形と、一つ一つ違う石の表情。世界的な彫刻家、イサム・ノグチが愛した石としても有名で、彫刻家にとって憧れの石なのだそうです。

今回は、大蔵山や伊達冠石の魅力に触れられる「春の大蔵山ガイドツアー」に参加してきました。
レポートをお届けします!

主催の「大蔵山スタジオ株式会社」とは?

今回のガイドツアーの主催は、丸森町にある大蔵山スタジオ株式会社。代々続く石材屋で、現代表で5代目になります。

最近では、昔からの伝統(石が身近にある生活)や職人技術を継承、発展させていくため、海外の彫刻家やデザイナーを迎えて、私たちの生活の中に石を取り入れたプロダクトを制作・販売しています。

そのような革新的な取り組みが注目され、メディアで取り上げられたり、東京や海外の展示会に出展したりと、今波に乗っている会社です。

今回案内してくださったのは、代表取締役社長の山田能資さん。
代表者写真
山田能資(たかすけ)さん
1980年7月5日生まれ。宮城県角田市出身。宮城県角田高等学校から玉川大学英米文学部へ進学。卒業後、ロンドンのセントラル・セントマーチンズ芸術大学グラフィックデザイン科に留学・卒業。帰国後、都内の石材店に1年間勤務。その後、父親が社長を務めていた現在の会社に入社し、福島県内の採石場へ配属。2017年4月から大蔵山スタジオ株式会社代表取締役社長に就任。

いざ、ガイドツアーへ!

このガイドツアーは、「大蔵山や石の魅力を知ってほしい」と2年前から実施しており、今回で8回目の開催になります。

参加したのは、学生から60代くらいまでの男女約10名。

当日は、往復2キロくらい歩いてガイドしていただく予定でしたが、この日の天気はあいにくの雨。大蔵山にある、採石場や文化施設、工場を車で案内していただくことになりました。

①本社事務所
ツアーの集合場所は本社事務所。木と石を使った、温かみのある空間でした。
入口では、石でつくられたプロダクトの販売も行っています。Image uploaded from iOS (35)②伊達冠石の採石場
最初に向かったのは、伊達冠石の採石場。

車を降りて、まず私たちは圧倒されました。まるで、壁面のアート作品を見ているよう。
自然から発生したとは思えない、芸術的な石の模様が広がっていました。Image uploaded from iOS (28)この下に転がっている石たちにも目を向けてみると、こちらも一つ一つ表情が異なります。

確かにこれなら、素材そのままの形や表情を生かした作品ができそうです。
「彫刻家たちが憧れる石」と言われているのも納得です。Image uploaded from iOS (23)この伊達冠石、角が丸い形をしているのも特徴的です。
山田さんいわく、2千万年前に火山が吹き上げ、マグマが冷え固まって形成されたのが大蔵山で、その後2度も山が海底に沈むなどの激し地殻変動などにより、伊達冠石が産出する場となっていったらしいのです。大地の歴史と、神秘的な不思議さを感じました。Image uploaded from iOS (32)
今までこんなにもじっくりと石を見たことはありませんでしたが、長時間見れば見るほど、この伊達冠石の奥深さを感じました。

そして今回、山田さんのご厚意で、記念に小さい石を持ち帰れることに…!
参加者のみなさんは、ここでしか手に入らないというだけあって、自分のお気に入りの伊達冠石を探していました。Image uploaded from iOS (29)③現代イワクラ
続いて向かったのは、現代イワクラ。
実はここ、まだ公開されていないとのことでしたが、案内していただきました。
ここには、大蔵山で採石された最大級の石がまつられています。

大きな石が産出すれば、業者へ卸すなどするのが会社として一般的な流れですが、大蔵山スタジオの考え方は異なります。石には神様が宿っているはずだと、このようにまつることにしているそうです。

採石は、山の環境を壊すことでもあります。だからこそ、自然環境とどう向き合っていくのか真摯に考え、取り組んでいるのも、大蔵山スタジオの魅力です。Image uploaded from iOS (22)この現代イワクラの中に入ると、とても声が響きます。それと同時に、厳かな、神聖な空気を感じました。たしかに、石は自然から生まれたものなので、神様が宿っているような、そんな感覚になりました。

④山堂駐車場
続いて向かったのは、丸い形をした駐車場。
ここには、山の自然環境を考えるワークキャンプ時につくられたオブジェがあります。Image uploaded from iOS (17)このオブジェ、神様が宿っているのかは謎ですが、「ワークキャンプでの制作期間中は土砂降りだったにもかかわらず、てっぺんに石を乗せるときだけ晴れた」という逸話もあるそうです。

やはり、神秘的な何かがあるのでしょうか?気になりますね。

⑤山堂サロン
ここでお昼休憩のため、山堂サロンへ。
このような素敵な通路を通って行きます。Image uploaded from iOS (15)
山堂サロンは、木と石をベースにつくられた、温かみのある建物。
そしてひときわ目を引くのは、大蔵山で採石された石の中で3番目に大きいという石。なんと、この石の前に立って話すと、声の響き方が変わるそうです。Image uploaded from iOS (14)
ここで、地元の食材を使ったおいしいお弁当をいただき、その後は山田さんからプレゼンテーション。

人と石の関わりについてや、大蔵山スタジオとしていかに伝統と技術を守っていくのかについてお話しいただきました。Image uploaded from iOS (12)⑥工場
私たちの知識も深まったところで、最後は工場見学へ。
ガイドツアーでは原石をたくさん見てきましたが、実際にそれがどのように加工されているのかを見学しました。Image uploaded from iOS (9)職人の方々が機械を使って、どのように石を切断したり磨いたりしているのか、間近で見て知ることができました。

Image uploaded from iOS (8)
表面に傷がないか、平らになっているかなど、職人の方の高い技術力によって、このように光沢のある美しい石に加工されます。Image uploaded from iOS (10)
このようにして、お墓やリビングプロダクトなどの製品が出来上がるそうです。

おわりに

最後は集合場所の本社事務所に戻って、ガイドツアーは終了。
参加者の皆さんは、終始山田さんに積極的に質問をしており、満足そうに帰っていかれました。

このガイドツアーは、今秋にも引き続き開催するとのことです。
皆さんも、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

これからますます軌道に乗るであろう大蔵山スタジオから目が離せません!
みなさんもぜひチェックしてみてくださいね!

<大蔵山スタジオ株式会社について>
ホームページ:http://okurayamastudio.com/
Facebook:https://www.facebook.com/okurayamastudio/

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