人とクルマを結び地域の移動と生活を支える佐藤ボデー工業。
代表・佐藤孝志さんと、取締役・佐藤翼さんにお話を伺いました。
孝志さん▶▶▶
自分が20歳の時に独立し、車の板金から始まった。スズキ代理店で、自動車整備、新車・中古車販売、板金塗装を行い今年で53年になる。その後レンタカー事業を始めたり、7年前からは翼が中心となりジムニーの専門販売も始めている。
翼さん▶▶▶
私は専門学校を卒業後、仙台のスズキで働いていました。もうちょっと長く働いて整備や営業も学びたいと思っていましたが、震災があり早めに実家に戻って父と一緒に働くようになりました。
ーー親子で同じ職場で働くというのはいかがですか?
翼さん▶▶▶
今まで会社で学んできたやり方とは違うと感じることがあったりして、最初の頃は結構意見がぶつかることが多かったです。でも元々お互い口数が多い方じゃないので、そこまで仕事については話さないかもしれません。
孝志さん▶▶▶
基本的な仕事・作業としての役割がある。翼は整備、俺は板金塗装が主で整備のことは分からないから口を突っ込まない方がいいなという考え。それはお互いに思ってることだと思う。
ーー信頼し任せておられるのですね。翼さんはジムニー販売など新たなことへも挑戦されていますがそういった姿を見て、どう感じられていますか?
孝志さん▶▶▶
何か考えていかなきゃなんないんだろうな今からは。少子高齢化で車に乗る人が本当に少なくなってここでこのまま商売できるのかという不安もあるので、変わって何かやっていかなくてはならない。なんだかんだ言ったって、老いては子に従えだからなぁ。
ーー今後の展開として何か考えられていることはありますか?
翼さん▶▶▶
丸森駅前からジムニーに乗り、町内を観光していただくレンタルサービス事業を構想中です。山あり谷ありの丸森の地形を、ジムニーで走って楽しんでもらえたらと。きっかけは商工会の青年部の先輩方に誘って頂き、事業研修に参加したことです。その中で丸森の交通課題について取り組んだのですが、今まで考えつかなかったような発想に触れ、このレンタル事業を始めてみたいと思いました。これからもいろんな方からのお声がけに応えて挑戦していきたいですね。
あとは、ジムニーの販売を通して知り合った方たちが集まれる場をつくりたいと思っています。同じ車に乗っているという共通点があるだけで、ものすごく距離が近くなるので情報交換でき、一緒に走ることができる場があるとおもしろいなと思っています。
自分が始める新事業はもちろん楽しみなんですが、外から新しいお客さんを獲得することで地域のお客さんへのサポートが疎かになってしまわないように、今までやってきたことも大事にしたいと思っています。
ーー翼さんのジムニー新事業の拠点として考えられている、特別な場所があるそうですね。
孝志さん▶▶▶
道半ばだけど、俺の遊び場がある。耕野地区に自分の山があり、昔は桑畑だったところの桑の木を抜いたり切ったり、山の木も切ったりして今は桜の木を30本、紅葉も2~30本植えている。花見山にしたい。春になるとわらびは出るし、たらの芽も出るしね。どんどん人に入ってもらいたい。
翼さん▶▶▶
山の上なので景色もいいんですよ。アップダウンもあるので一番最初はジムニーで走ってもらえる場所があったらいいなというところから、父の桑畑の整備が始まったんです。いろんな使い方ができる可能性があっておもしろいと感じてます。
有限会社佐藤ボデー工業
業種:自動車整備・販売
創業:1970年(1979年法人化)
丸森駅から佐藤ボデー工業までの距離:ジムニーで14分
文 / 大野美由紀
撮影 / 佐藤浩子