「”地域の想いが詰まった店”なんでもや看板娘・佐藤さんにインタビュー!」

「よそから来た方がこの店に来ても、きっとつまらないと思いますよ。でも、この地域の方々にとっては、たくさんの想いが詰まったお店なんです。」

そう話すのは、丸森町大張地区にある”大張物産センターなんでもや”の看板娘、佐藤美幸さん。

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今回は、なんでもやの誕生秘話から、どんな想いが詰まっているお店なのか、ほっこりするエピソードも交えてご紹介したいと思います!

【プロフィール】
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佐藤美幸さん

宮城県丸森町出身、大張物産センターの看板娘。なんでもや立ち上げ当初から現在までの15年間、店を守り続けている。地域のみんなが困ったときのなんでもやになれるよう奮闘中。

-今日はよろしくお願いします!まずは、「大張物産センターなんでもや」とはどんなお店なのか教えてください!

なんでもやは、15年前に地域住民からの共同出資で誕生した、この地区唯一の小売店です。

商品は、食品から日用品、雑貨まで、店名の通り”なんでも”取り扱っています。また、この地域には高齢者が多いので、移動販売や商品の配達、配食サービスも行っています。さらに、店内にはお茶を飲んで休憩できるスペースも備えており、とにかく地域に寄り添ったお店となっています。

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(店内の様子)

-住民からの共同出資って珍しいですよね。立ち上げの経緯について、もう少し詳しく教えてください!

当時、この大張地区にスーパーマーケットのような何でも揃う店が一つもなくなってしまったんです。それ以降、わざわざ隣の地区まで車で15分かけて買い物に行かなければならなくなりました。車を運転できない高齢者も多くおり、地域のみんなが不便を感じていました。

そこで、商工会の有志メンバーが集まり、店を作ろうと動き出したのです。地域住民から出資金を集め、行政に頼らずにこのなんでもやをオープンさせました。

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(なんでもや外観)

-移動販売や配食サービスなど、地域に密着したサービスを提供しているのは、やはり高齢者が多いからですか?

そうですね。丸森町は車社会ですから、車を運転できないと生活が成り立ちません。今までは徒歩や車で来店できていても、健康状態が悪くなって来店できなくなる、という高齢の方も多いです。

そのため、牛乳1本から注文の受付と宅配サービス、移動販売を行っています。来店して購入したけれど重い荷物を持って帰るのは大変、という方に対しても、「移動販売の時についでに届けるから置いていって良いですよ」と臨機応変に対応しています。

配食サービスは、高齢者はもちろんですが、一緒に暮らしている息子さんたちからもよく注文を受けています。昼間仕事で出かけているから、お昼はおじいちゃんにお弁当をお願いします、というように。代金はまとめてお支払いいただいているので、おじいちゃんは昼間にお弁当を受け取るだけです。

-かなり地域に密着した事業だと思いますが、佐藤さんがなんでもやで働くことになったきっかけは何だったんですか?

実は、なんでもやを立ち上げた地元の商工会の有志メンバーの中に、私の父がいたんです。当時私は専業主婦だったため、父が「とりあえずうちの娘を使って」と言ったことがきっかけでした(笑)

最初の1年は、「地域のため」とか「頑張らなきゃ」とか、そんなことは一切考えていませんでした。店長と2人で店番をしていましたが、最初の時給は500円。それでも、「もらえるだけいいかな。とりあえず次の人が見つかるまでやろう。」という、その程度の気持ちでした。

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-そうだったんですか!その後心境の変化はありましたか?

店番を始めて1年半後、珍しい取り組みをしているということで新聞やテレビの取材を受け、視察や取材の依頼がたくさん来るようになったんですね。

そこで初めて、インタビューを受けた地元のお客さんが「なんでもやがあるから助かっています。本当にありがたいです。」と答えているのを見て、「ああ、私はとても地域の役立つことに携わっているんだな、ただお店やってるだけではないんだな。」と気づきました。それと同時に、「もっと頑張ろう!」という気持ちに変わりました。

-お客さんとの関わりの中で、嬉しかったエピソードを教えてください!

もう亡くなってしまったのですが、毎日のように店に来てくれていた方が体調を崩し、たまにしか来れなくなったんです。「ここに来れなくなるのはさみしいな…」とボソッとつぶやいたのを聞き、そんなに楽しみにしてくれていたんだ、と嬉しくなりました。

他にも、「あ~久しぶり!」なんてお客さん同士のコミュニケーションの場になっていることが嬉しいですね。同じ地区に住んでいても、出歩かないと会えないので。

「ここに来るといろんな人に会えておしゃべりできて嬉しいわ~」というおばあちゃんたちも多く、とても楽しそうに話しています。最終的に、「ここでまた会おうね」って約束しているのを見て、こちらまで温かい気持ちになっています。

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-これからの夢や目標はありますか?

商品の売上を上げることも大事ですが、なんでもやが地域の人から一番必要とされるお店であったり、憩える場所になったらいいなと思っています。

まだまだ模索中ですが、昼間一人で過ごしているお年寄りを集めて、なんでもやでお弁当やお菓子、お茶を飲食しながらゆったりおしゃべりできる場をつくりたいなと思っています。送迎付き500円とかで。

そんな風に、大もうけしなくても、「あそこ行けば誰かに会えるからさみしくない!」って思ってもらえるようなスペースにしたいです。

-最後に、なんでもやさんへ興味を持ってくれた方へ、一言メッセージをお願いします。」

一見、普通の商店ではありますが、隠れた部分を覗いてみると、地域の人の想いがいっぱい詰まっているお店です。

このへんに住んでいる子どもたちはお店に「ただいまー」と言って帰ってきます。大きくなって就職や進学した子も、お正月やお盆に「お久しぶりです!」と顔を出してくれます。

こんな風に地域密着のお店ですが、よそから来るお客さん向けに、地域の特産商品みたいなものを開発したいという思いもあります。中には、直売所としては置いている野菜が少ないのでがっかりして帰る方もいますが、それらは地域のおじいちゃんおばあちゃんが「食べきれないから売ってみようかな」「みんなにも食べて欲しいな」っていう気持ちでお店に出しているんですよ!

地域の人の想いがいっぱいつまったお店なので、ぜひどなたでもほっこりしに来てください!(笑)そして、なんでもやを知っている地元の方は、よその地域でも「地元にこんなお店あるんだよ!」と自慢してくれたら嬉しいです!

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