【起業家インタビュー】 マメムギモリノナカ 代表 山下久美

前職は仙台市でリラクゼーションのセラピストをしていました。技術の向上を図りつつも、それ以外にも健康に関わる要因がもっとあると感じてきました。特に自然環境に依存する部分は大きく、空気や水がきれいなこと、安全な食物を口にできること、太陽の光で交感神経のスイッチが入ることなどは、非常に重要です。将来的には、人の健康に加えて環境にも配慮した活動をしていきたいと考えるようになりました。

そんな折に、まるまるまるもりプロジェクト(丸森町の起業型協力隊)の存在を知ります。自然豊かな場所と、起業を後押ししてくれるこの環境でチャレンジしたいと、移住と起業を決意しました。

 どのような形で丸森町と関わって事業を行っていこうかと考えていた時に、CULASTAのサポートで地域の未利用のミツロウを紹介してもらいました。施術用のクリームとして活用を検討していましたが、1人で施術に使うだけでは在庫の消費に及ばないことがわかり、もっと多くの人に手に取ってもらう方法を考え始めました。様々なミツロウ製品を検討していく中で出会ったのが、オーストラリア発祥のミツロウラップです。人の口に入っても安全な材料でできており、プラスチックラップの削減にも繋がるというこの製品は、私のやりたい事にぴったりでした。

 当初はサロン内でのみ販売する想定だったものが、月に何百枚も注文を頂くようになりました。生産性を上げるためにメーカーと共に機器を開発したり、パッケージのリニューアルを行うことで、ノベルティやOEM生産といったご要望にもお応えできる体制を作っていきました。アパレルブランドのハギレを活用した商品づくりなど、同じく環境に配慮した取り組みを行う企業とのコラボレーションには、特にやりがいを感じています。

ミツロウの活用をザンビアへ

丸森町に来たことで、大きな夢が叶ったことがあります。それはアフリカに行くという夢です。丸森町の耕野地区では「丸森ザンビアプロジェクト」というJICAのプロジェクトが行われています。丸森町の農業の技術をザンビアに伝えるということで、毎年日本から専門家が派遣されたり、ザンビアから農業普及員が研修に来たりという交流があります。ザンビアでは乾季に農作物が育たなくなるため、その時期の収入源として養蜂のトレーニングも行われています。私はミツロウを使った加工品の作り方を教えるために、ザンビアに派遣されることになりました。自分のやってきた事がこのような形でお役に立てることも嬉しかったですし、初めて出会ったザンビアの人々や文化から、たくさんの刺激をもらいました。丸森町に来た事、そしてこの仕事を始めたことが、予想もしなかった様々な面白い体験へと繋がっています。

地域から生まれる、暮らしと仕事のヒント

丸森町での生活は、日々刺激的です。町に伝わる昔ながらの技術や資源が私にとっては目新しく、知りたい事や挑戦してみたいことがたくさん!真似をして自分の衣服を作るようになったり、プランターで野菜を育ててみたり。来年は少し規模を広げて畑をやってみたいなとか、保存食づくりにも挑戦したいな、なんてことも考えています。

そういった環境に浸ることは、新しい商品開発にも繋がっています。昨年は丸森町の伝統工芸品である和紙を使ったミツロウラップを提案し、仙台のレストランに採用頂くことが出来ました。今年は、丸森シルクを使った商品の企画なども考えています。

この町での学びが、私の暮らしと仕事を豊かに広げてくれる気がしています。

丸森クラスタ CULASTA CULTURE AND STARTUP

丸森クラスタは、丸森町の自然と人が紡ぐカルチャーを大切に、
丸森町で起業したいなぁと思っている町内外の方を、
丸森町全体で全力で応援する起業サポートセンターです。

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まるまるまるもりプロジェクト

都会での生活に満足できない方の、
地方での柔軟なライフスタイルを応援する、
丸森町の「移住&起業」プロジェクト。

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