その14 こころをうごかすもの
みなさまいつも応援ありがとうございます。
少しずつ日が長くなり、「あたたかいな♪」と思える日も増えてきました。
季節を体感できる(笑)古い我が家では、身体も気温の変化に一喜一憂しております。
もちろんヒュッテ・モモでは、お客さまにあたたかくお過ごしいただけますので、どうぞご安心を。さてさて。2月中旬の3日間、まるまるまるもりプロジェクトの柴田北斗隊員がプロデュースするインターンシップの研修生がヒュッテ・モモにやってきました。
千葉県出身のカナちゃん、大学3年生。
よく食べよく笑いよくしゃべる、元気なおんなのこです。
カナちゃんは到着した日から、初対面の私に悩みを吐き出してくれました。
そして毎日が学びと発見で、たくさん報告をしてくれました。
「お母さん、ただいま」って帰ってきました。
娘に初めてお弁当を作って送り出しました。
そんなカナちゃんがめんこくてしかたなかった3日間でした。
ある日、朝食の時にカナちゃんが泣いていました。
ごはんを食べながらひとりで泣いているのです。
カナちゃんは言いました。
「私、どうしてごはん食べながら泣いてるんだろう」私がスイスの農業研修を終えて帰国してから、最初に就職したのは岩手県のとある観光牧場で、たくさんのことを吸収しようと夢を抱いてがんばっていました。
それがあるとき、職場を離れて実家の東京に帰らなければならないような事態がおこり、心身ともにボロボロになってしまいました。
そんな私を見かねて友人が、弘前にある「森のイスキア」の佐藤初女さんのところに連れて行ってくれたのです。
本を出版されたり、「地球交響曲~ガイアシンフォニー~」というドキュメンタリー映画にも取り上げられているので、初女さんのことをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
3年前に天に召されましたが、彼女が心を込めてにぎったおにぎりを食べて自殺を思いとどまった方もいるほど、人々に慰めを与える“癒しのひと”でした。
当時、すでに有名だった初女さんに、どんな話をしたかは緊張していてよく覚えていません。
長い時間ではありませんでしたが「私はもうダメかもしれません」なんてことを言ったのでしょうか。
ただひとつ、鮮明に覚えていることは
「大丈夫。あなただったら大丈夫よ」
という言葉です。
こちらの深い事情も知らず、何の根拠もないのに、ただ「大丈夫」と言ってもらったことで、涙が止まりませんでした。
そして実際、少し時間が必要でしたが私は「大丈夫」でした。
初女さんの心から発せられた愛の言葉に私の心が呼応し、癒しをいただいたのです。
カナちゃん。私のごはんを食べて涙が出てきた理由はね、この地で心を込めて育てられた農産物に、てんこもりの愛情を注いでつくっているからだよ。
「元気になれ~。大丈夫だよ」っていう気持ちが、きっと伝わったんだね。
これまでたくさんの方に私の拙い料理を褒めていただいたけれど、ごはんを食べながら感動してぽろぽろ涙を流してもらえるなんて、どんな褒め言葉にも勝るごほうびだったよ。
私もあなたからたくさんの学びと喜びをもらいました。
ありがとう?カナちゃんはあと数日で丸森での学びを終えます。
たくさん悩んで壁にぶつかって自分に疑問を抱いて苦しくて。
でもそのたびにあなたの心に寄り添って、支えてくれるひとが現れます。私自身がそうであるように。
そして年を重ねて振り返ったときに、無駄なことはなにひとつなかったと心から思える日が来るはずです。
あなたの豊かで柔軟な感性と澄みきったやさしい心は、これからもたくさんのひとに元気としあわせを与えていけるようになるよ。大丈夫。
丸森のお母さんは、いつでもあなたのこと待っているからね。すてきな時間をプレゼントしてくれたホクちゃんとカナちゃんに感謝を込めて。
森のイスキアと佐藤初女さんについて(イスキアの郷しらかわ)
http://ischia.ciao.jp/%E6%A3%AE%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%82%A2%E3%81%A8%E4%BD%90%E8%97%A4%E5%88%9D%E5%A5%B3%E3%81%95%E3%82%93/
まるまるまるもりプロジェクト
https://marumarumarumori.jp/
写真は、同時期に丸森町に集まったインターン生のみなさん。新しい移住者である協力隊が、新たな若者たちをひっぱってくるという奇跡的な現象が起こっています。感無量です。