【まるまるまるもりプロジェクト|早川真理】

その10 志村さんが来た!
みなさまお元気ですか。

稲刈りも終わり、丸森はめっきり冷え込みが厳しくなり、朝晩のストーブが欠かせなくなっています。
向かいの山々もきれいに色づいてきました。FB用3
先日、首を長くして待ちわびていた方たちがMomoにお泊りくださいました。前の家主である志村さんご夫妻です。
この家には10年ほど前までおばあちゃまがおひとりで暮らしていましたが、亡くなられてからは長男ご夫妻が横浜から年に数回通われては家や庭、畑の管理をし、別荘のような田舎暮らしを楽しんでいらっしゃいました。
地元の方からこの家を紹介していただきひとめぼれした私は、すぐに志村さんと連絡を取り合い、数日後には横浜のご自宅まで会いに行ってきました。
私の強い思いを感じてくださったのか、あと2年間は譲る気持ちはなかった(笑)ご主人が迷うことなく「売りましょう」とご快諾くださり、信じられないほどのスピードで、このすてきな空間を手にすることができたのです。

奥さまは新しくなった部屋のあちこちを写真撮影しては幾度も「夢のよう」と口にされ、ご主人は「マリちゃんに買ってもらって本当によかった」と言ってくださいました。
いまでは家族のような大切な存在である志村ご夫妻をお迎えできて、私の方こそ夢のような楽しい時間を過ごさせていただきました。
志村さんご夫妻
当時、売買契約を結ぶ際にある友人からいただいた言葉がとても印象に残っています。
いくら田舎暮らしに憧れて物件を探しても、最終段階でうまくいかない例を何度も見てきた。
こんな風にスムースに決まるということは、この土地から歓迎されているということだよ、と。
いつも思うのです。私がこの土地を選んだのではなく、許されてこの場所にいられるのだということを。

また最近、別の友人からとてもうれしいメッセージが届きました。
大変お世話になっている写真家の先生からオープン記念にいただいた、居間に飾ってある「サクラダファミリア※」の天井の写真についてです。

「…完成は数百年後と言われていたのに、拝観料の増収や工事技術の進歩により2026年に完成見込みであるようです。
サクラダファミリアの現在の建築工事の主任彫刻家は外尾悦郎さんという日本人だと思います。
私にとって、サクラダファミリアは、人と人の意外な偶然の出会いや組み合わせが重なった、見た目以上の芸術的な人類の歴史だと思っています。
たしか、設計図を書いたガウディも誰かの代わりで始めていますし、それに、肝心のガウディが書いた設計図も無くて、その時その時の主任彫刻家がガウディの意思を想像して作っているとも聞きました。
人の思いは、世代や国境を越えて受け継がれるもの、サクラダファミリアはその象徴に感じています。
ヒュッテ・モモも、私たちにとって、そういう大切な存在だと思っています」
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芯にある思いは変わらずとも、偶然の出会いがミラクルを起こし日々発展していく、そんなサグラダファミリアのような宿にしていきたいです。
ますます大切な贈り物になりました。

※スペインのバルセロナにある、建築家アントニ・ガウディ設計による大聖堂。

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